◇専武流とは、近代剣道の発展に寄与された剣聖高野佐三郎先生の最古参高弟・星野仙蔵、大澤専二、青木七郎、小澤愛次郎と並ぶ四天王の一人であり、気品の大澤専二、剛健の高野茂義と龍虎双璧と称された明治・大正時代の学校剣道の育成と近代剣道界に寄与された大澤専二先生の流れをくむ武道塾である。
◇大澤専二先生は明治45年(大正元年)5月、第17回大日本武徳會大演武大会で全勝優勝、同月の皇居「済寧館」で皇太子殿下(大正天皇)台覧試合、山県有朋元帥、乃木希典大将ら高位高官列席のもとの行われた各府県代表剣士が参加した宮内省演武大会において、晴れの決勝戦で大日本武徳會の重鎮・門奈正先生を破り、全国二大大会で優勝した。
◇高野佐三郎先生の秘蔵弟子として、東京高等師範学校剣道講師、千葉師範学校剣道教授として剣道の学校正課採用の時に指導者、生徒の剣道教授に大いに貢献された。
◇大正4年(1929年)、高野佐三郎先生は名著「剣道」を刊行され、剣道の学校正課採用に基ずく、その時代の要請に応えて団体指導法、術理、史的研究などを世に広められた。その本は改訂され、現在でも剣道を学ぶ人達に愛読されている。
◇大澤専二先生は、高野佐三郎門下の俊才たちの先頭に立ち、高野佐三郎先生の『剣道』発刊に力を尽くし、特に「術理」面を担当され、その著述の書・毛筆書き『剣道」は現在、野田市郷土資料館に寄贈、保存されている。
◇専武流武道塾では、大澤専二先生の残された『武道書』である「剣道」「剣道練習帳」などの未刊本・毛筆書きの武道論・実理などを研究している。
◇専武流は、綜合武道・神影流(25世宗家豊島一虎勝峰先生)と武道上の縁を結び、豊島御宗家の指導を仰ぎ、現代剣道では禁止されている「日本刀真剣」を使用しての伝統剣道の真髄を学び、現代社会に応用できる小太刀勢法、無刀体術、空手道などを修練している。
◇また先人の遺した数々の「武道伝書」を探求し、時代を超えた生死悠々の武の道・武道の本質を認識した「武道教育」のあり方、指針を研究している。