◇小太刀の心得 大澤専二
「太刀を持つ場合には右に能く間を取りて体を伸ばし、深く入り込みて闘うべし。
伸び入るほど早きものはない。我が頭をも体をも敵の体に密接するほどに伸び入る時は安全なり。離れる時は危険である。すべて小太刀の時も長太刀の時も無刀の心得にて踏み込み踏み込み闘えば、小太刀も長太刀と同一の利益あるも、もし我が小太刀なる為めに気おくれする時は必ず失敗をすることになる。無刀の心得ならざれば技も伸びざるべし。平生の仕合にも真剣の心得をもって戦い、小太刀を持ちても無刀の覚悟にて鋭く闘う心掛けが誠に肝要なことと思います」
大澤専二 毛筆書き『剣道」下巻
◇「闇夜に霜を聞く」 真暗闇の中、冬の厳しい寒さの中で、霜を踏む足音が近づいて来る。それを静かに聞くは、いかにも心気落ち着くところにて、至極武術高尚のところなり。 明治・大正の剣士は、このために闇夜での修練を真剣に重ねた。
◇「剣技 千技万法ありとも、斬るということは一つなり」 長太刀も小太刀も鍔元にて斬るべし。これ小太刀の心得なり。
☆この事を心に刻み小太刀の稽古をしなければ、いかにも稽古は効果はあがらずと心得るべし。
野田市清水公園内「大澤先生碑」前にての演武
仕太刀 大澤俊一光風
打太刀 吉澤 星舟